Wednesday, November 08, 2017

20171030,鹿兒島觀賞魚進口批發的神社魚類孵化出鰻魚苗約3萬條

〜先月30日、ニホンウナギの仔魚約3万尾を得る/大手養鰻業者の鹿児島鰻が観賞魚輸入卸の神畑養魚と共同研究〜

大手養鰻業者の㈱鹿児島鰻(鹿児島県大崎町)と観賞魚輸入卸の神畑養魚㈱(兵庫県姫路市)は先月30日、ニホンウナギの人工ふ化に成功し、仔魚(プレレプトセファルス)約3万尾を得た。


人工ふ化は1973年、北海道大が初めて成功させ、近年では栃木県内の馬頭高校が2011年12月に、愛媛県宇和島市の宇和島水産高校が2015年2月にそれぞれ、人工ふ化を成功させているなか、今回は養鰻業者初の快挙。
 

周知のようにニホンウナギは環境省、またIUCN(国際自然保護連合)により、絶滅危惧種に指定、また2年後に行われるワシントン条約締約国会議を控える等、先行き不安が高まっている。鹿児島鰻の斎藤雅之社長(31歳)は近年のウナギ資源動向を懸念、「ウナギ資源が減少する中、私どももただ養殖するのではなく、何か出来ないものか」と考えを巡らしていた中で、加工メーカー・奈良の土岩久和社長に紹介された、観賞魚全般の輸入卸で、繁殖も手掛けている神畑養魚の山中幸利(ゆきとし)取締役部長、石元健太(30歳)氏にコンタクト。シラスウナギ約100匹を同社の南九州養殖センターに移し、2014年春に人工ふ化の研究をスタートさせた。


担当の石元氏は「これまでの他魚種と異なり、ウナギはある意味、深海魚で、何から何まで勝手が違い、これまでのやり方がまったく通じませんでした。専門書、あるいは論文を熟読しつつ、試行錯誤の連続でした」と話す。今年1月、初めて人工ふ化を成功させていたが、「僅か30匹と、たまたまという感じもあり、公表はせずその後も研究を重ねていました」(斎藤社長)と振り返る。


研究スタートから約3年半の月日をかけた9月30日、人工ふ化が成功、約3万尾の仔魚(プレレプトセファルス)を得た。「右も左も分からず、苦労しながらの研究で今回の成功にはただただ感動しました。30万粒から約3万尾のふ化率10%と、まだまだ低いわけですが、ある程度はコツをつかめたので早い段階で高水準までもっていきたいですね」と意気込む。なお、5日現在で約100匹が生残している。


斎藤社長は今回の人工ふ化成功を受け、「早いうちに完全養殖を実現させ、資源保護の観点からも人工ウナギを少しでも一般流通に乗せたいですね。資源問題がクローズアップされるなか、ただ養殖するだけではなく、こうして資源を考えた働きかけも行っていることを広くアピールしたい。こうした動きがさらに広まり、業界全体の底上げ、ひいてはウナギ文化継承に少しでも貢献出来れば」と思いを語った。


[画像は上から、受精卵<受精直後>→受精後13.5時間→ふ化前→0日齢→2日齢→3日齢]<写真提供:神畑養魚>

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