沖永良部でシラスウナギ人工生産成功 量産化技術確立へ 新日本科学
(2020/09/15 23:00)
沖永良部島事業所でふ化したニホンウナギの仔魚・レプトセファルス(新日本科学提供)
ニホンウナギは絶滅の恐れがあり、天然の稚魚の採捕量は減少傾向が続く。官民で人工稚魚生産の研究が進んでいるが、ふ化後に稚魚まで育てるのが難しく、量産化の壁になっているという。
医薬品開発受託・研究の新日本科学は14年、鹿児島市で研究を開始。17年には人工海水を使った閉鎖循環システムで稚魚生産に成功、18年からは指宿市に薩摩うなぎ研究所を設け、大量生産に向けた研究を進めてきた。
沖永良部島事業所は昨年10月、天然海水による実証研究施設として伊延港近くに設置した。親ウナギから採取した卵と精子を人工授精させた受精卵が今年3月頃ふ化。飼育期間が180日に達した今月、体長5センチほどに育った仔魚を、稚魚に変態させることに成功した。
現在、飼育を始めた仔魚が稚魚になるまでの生存率は1%未満。まずは5%まで向上させるのが目標で、餌の開発を進める。永田良一社長は「事業化に向けた研究へステップアップできる。将来は規模を拡大し、島の雇用創出に役立てたら」と話している。
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